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TCHの原因と改善方法について(前編)

私たちの歯は、上下で緊密にかみ合うように並んでいますが、歯と歯が接触している時間は、極めて短いことをご存知でしょうか?具体的には、1日に20分程度しか歯と歯は接触していないと言われています。そして、それは主に食事と会話をしているときです。逆に言うと、それ以外の時間は、歯の接触は起きません。普段口をとじている時、前歯同士が接触していても、奥歯はわずかに開けられていますし、前歯も接触しないのが普通です。もっと長い時間、歯列同士が無意識、あるいは意識的に接触している場合,『TCH(Tooth Contacting Hbit』(上下歯列接触癖)が疑われます。TCHは病気ではないが、慢性化すると、口腔周囲にいろいろな悪影響が生じることがあります。それはTCHが就寝時だけではなく、起きているときも歯ぎしりをしているのと同じ状態を引き起こすからです。最もわかりやすいのが歯の咬耗です。食べ物を介在せずに歯と歯が接触することから、歯質が徐々に擦り減っていきます。歯に亀裂が入ったり、破折したりすることがあります。その他、咬筋の肥大や顎関節症の発症、歯周病の悪化など、TCHによる悪影響は広範囲に及びます。

スマホの長電話がTCHを引き起こすこともある

 TCHは、過度の緊張やストレスにさらされた際に起こりやすくなります。これは歯ぎしりや食いしばりが起こるメカニズムと同じです。またスマートフォンを使用する時間が長かったり、デスクワークに従事している人は、TCHが起こりやすいと言われています。いずれも俯く姿勢が長時間持続します。その状態では、下顎が前方へと移動して、上下の歯列が接触しやすくなるのです。TCHを改善するためには、まずそのような習癖があることを自覚することが大切です。

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